動画共有プラットフォームでバズを起こしたフレーズが一般に浸透する際、最も起きやすいのが「語感のキャッチーさだけで使ってしまうことによる文化的摩擦」です。
ネット上の一部まとめでは、「Y Que Fue=どうしたの?という可愛い疑問形」と紹介されているケースが散見されます。しかし、これは言語学的に見ても非常に浅薄な解釈であり、現実のコミュニケーションにおいては危険を伴います。前述の通り、この表現をドミニカ人やカリブ系の人々に対して口にする際、声のトーンや表情によっては「喧嘩を売られている」と即座に判断される可能性が高いからです。
例えば、路上や公共の場で目線が合った見知らぬ相手に対し、笑顔もなく「¿Y qué fue?」と言い放つ行為は、日本で言えば眉間にしわを寄せて「あ? 何見てんだよ」と凄むのと同義です。TikTokの音源としてリップシンクする分にはエンターテインメントとして成立しますが、中南米諸国への渡航時やスペイン語圏の知人との会話において「流行っているから」と不用意に使うのは明確に避けるべきです。