兜町の証券ディーラーたちが沸き立つ一方で、SNSや知恵袋、街頭インタビューでは正反対の悲鳴が聞こえてきます。「日経平均が史上最高値を更新したと言われても、給料は上がらず物価高で生活は苦しくなるばかり。誰のための株高なのか」という率直な疑問です。
この強烈な違和感の正体は、日経225構成銘柄が「世界市場で稼ぐグローバル大企業」に偏っている点にあります。過去数年間の日本経済への影響を検証すると、為替の歴史的な円安進行が輸出企業や海外展開企業の円換算利益を大きく押し上げ、それが名目株価の上昇要因となってきました。
しかし、日本国内の内需や中小企業、日々の生活者は「円安による輸入原材料・エネルギー価格の高騰」という痛みを直接受けています。証券取引所の現場を取材するベテラン記者は次のように指摘します。
「日経平均の数字は、日本に住む個人の生活水準ではなく、多国籍化した日本企業のグローバルな稼働状況を反映しているに過ぎない。数字の好調さと生活実感の乖離が生じるのは、経済構造から見れば至極当然の帰結である」