ネット上の掲示板やSNSでは、「軽い追突事故なら警察を呼ばずに当事者同士で示談した方が早い」「外傷がないから物損扱いで済ませても保険で全額カバーできる」といった誤った言説が散見されます。しかし、これは法的にも医学的にも極めて危険な誤解です。
第一に、道路交通法第72条により、事故の大小に関わらず警察への報告は完全な法的義務です。報告を怠ると「交通事故証明書」が発行されず、自賠責保険や任意保険の保険金請求手続きが著しく困難になります。
第二に、「外傷がないから大丈夫」と過信してその場で物損事故として処理してしまうと、数日後にむち打ち症(頸椎捻挫)や頭痛・手足のしびれなどの神経症状が現れた際、人身事故への切り替え手続きに膨大な労力と警察・医師の再検証が必要となります。初期対応の甘さが、将来的な治療費打ち切りや正当な賠償を受けられないリスクに直結します。