カメラの光学技術の進化も、この表現手法を強力に後押ししている。キヤノン株式会社をはじめとする主要カメラメーカーが送り出す最新のシネマレンズやミラーレス一眼は、極めて浅い被写界深度においても動物の瞳を正確に追従し続けるオートフォーカス性能を獲得した。
日本写真家協会に所属するドキュメンタリー作家たちの間でも、従来の記録的な撮影手法から、映画的なトーンを前面に押し出したシネマティックドキュメンタリーへの移行が顕著だ。被写体の社会的な背景を伝えながらも、映画用のカラーグレーディングと絞りによる深度演出を施すことで、ニュース映像とも純粋なアートとも異なる新たな視覚体験が創出されている。