大阪の路地裏で生まれたストリートフードは、いまや世界の美食家たちが熱狂するグローバルなカルチャーへと変貌を遂げた。その転換点を象徴するのが、世界最高峰のレストランガイド『ミシュランガイド・ビブグルマン』への連続選出である。高級フレンチや割烹と並び、千円札でお釣りが来る屋台料理が評価された事実は、世界の外食シーンに小さくない衝撃を与えた。
世界的映像配信プラットフォームNetflixの人気グルメドキュメンタリー『ストリート・グルメを求めて: アジア』でも、立ち込める煙の中で黙々と鉄板に向き合う大阪の焼き手たちの姿が克明に描かれた。派手なトッピングではなく、昆布や椎茸から引いた繊細な旨味の重なりが、海外のフードクリエイターたちを唸らせている。庶民の日常食でありながら、計算し尽くされた調理科学の結晶でもあるのだ。