「自宅のベランダなのだから、何を片付けようと自由のはずだ」という思い込みは通用しない。日本の野生鳥獣は、環境省が所管する「鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)」によって厳格に守られている。市街地で頻繁に見かけるドバト(カワラバト)や、独特の羽模様を持つキジバトもすべてこの法律の保護下にある。
核心となるのは「卵やヒナが存在するかどうか」だ。巣の中に産み落とされた卵が1個でもある場合、あるいは孵化したヒナがいる段階で巣を撤去・破壊する行為は、同法第8条で禁じられた「鳥獣の捕獲等または鳥類の卵の採取等」に該当する。これに違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という重い罰則が科される可能性がある。
仮に無精卵であっても、一般住民がその場で判別することは法的に認められない。卵やヒナがいない「作りかけの巣」や「使い終わったもぬけの殻」であれば許可なく撤去できるが、一度でも命が宿った現場の対処には、自治体への捕獲許可申請という高い行政ハードルが立ちはだかる。