平日の午前8時台、あるいは金曜日の18時過ぎ。八重洲口の地上降車場前は、車列がピタリと動かなくなる魔の時間帯を迎える。外堀通りの鍛冶橋交差点から呉服橋方面にかけて伸びるタクシーの列に巻き込まれれば、あと100メートルの距離に10分以上を費やすことも珍しくない。
この致命的な遅延を回避するプロの選択肢が、降車位置の前倒し指定だ。運転手に「八重洲南口の手前、八重洲通りとの交差点付近で降ろしてください」と告げ、手前でメーターを切ってもらう。歩いた方が圧倒的に速い。車を降りたら、グランルーフのデッキ下をくぐり、八重洲南口改札へ直行する。ここから東海道新幹線の南のりかえ口までは、わずか数十歩の距離だ。
深夜23時を回ると状況は一変する。終電間際の駆け込み需要と、帰宅難民を乗せようとする待機車両が入り乱れ、降車レーン周辺は一種の無秩序状態に陥る。特に金曜深夜は、降車専用スペースに一般車や客待ちの空車が不法に割り込むケースが散見され、降車すらままならない場面もある。深夜帯に新幹線最終便や夜行バスへ接続するなら、地上の降車場にこだわらず、あらかじめ八重洲北口側の日本橋口寄り、あるいは外堀通りの対向車線側で降りて横断歩道を渡る方が、無駄なクラクションの渦に巻き込まれずに済む。