2人の距離が急接近したのは、1985年1月公開の東宝映画『愛・旅立ち』での共演でした。当時、中森明菜は『十戒 (1984)』『飾りじゃないのよ涙は』で圧倒的歌唱力を誇る歌姫として君臨し、近藤真彦は『スニーカーぶる~す』『ギンギラギンにさりげなく』でトップアイドルとして社会現象を巻き起こしていました。中森明菜と近藤真彦の交際期間は、この共演を皮切りに約6年間に及ぶことになります。
取材関係者の証言によると、撮影現場での2人は周囲の目を憚ることなく親密な空気を漂わせており、映画のプロモーション特番でも互いへの好意を隠そうとしませんでした。中森明菜は周囲に「23歳までに結婚して引退し、温かい家庭を築きたい」と公言。一方で、芸能界の寵児として多忙を極め、趣味のカーレースにも没頭していた近藤真彦との間には、将来像をめぐる温度差が徐々に生じ始めていました。
1980年代後半、歌番組のバックステージでも2人の親密な姿は日常茶飯事でしたが、多忙によるすれ違いと芸能事務所を取り巻く巨大な利害関係が、若き2人を次第に追いつめていきました。