彼の楽曲スタイルを規定づけているのは、ジャンルの既存概念を軽々と跳び越える柔軟性だ。従来のラップ表現のフォーマットに収まらない変則的なフロウ、そして詩的な抽象性と鋭利なリアリティが同居するリリック。一聴しただけでは全貌を捉えきれない多層的な構造が、繰り返し聴きたくなる中毒性を生む。
複雑な音像の中でも埋もれることのない声質と、計算し尽くされた言葉の配置。アンダーグラウンドのコアな精神を保持しながらも、ポップアヴァンギャルドとして洗練されたその表現力は、日本のヒップホップの可能性を大きく広げたと言っても過言ではない。