鈴本演芸場には、訪れる時間帯や季節によって全く異なる表情を見せる名物企画が数多く存在する。その代表格が、日曜の朝に開催されている「鈴本早朝寄席」だ。
落語協会の二ツ目(若手有望株)4人が出演するこの早朝寄席は、手頃な料金で濃密な話芸を堪能できるため、演芸ファンの間では「未来のスターを見つける登竜門」として親しまれている。若手らしいエネルギッシュな高座に触れ、清々しい気分で日曜の午前をスタートさせる贅沢は格別だ。
対照的に、一年の幕開けを飾る「初席特別興行」はお祭り騒ぎの様相を呈する。正月の晴れ着姿の観客で埋め尽くされた場内に獅子舞やおめでたい芸が繰り広げられ、大入り満員の熱狂が渦巻く。日常を忘れさせるハレの日の興奮がそこにある。