戦国時代の戦火によって一時は社殿が荒廃し、存続の危機に瀕した時期もあった。その苦境を救ったのが、水戸藩の第2代藩主として名高い徳川光圀、すなわち「水戸黄門」である。
光圀はこの由緒ある聖地の荒廃を深く嘆き、社殿の再建に着手した。その遺志は第3代藩主・綱條へと引き継がれ、現在の壮麗な本殿や拝殿が完成を見ることとなった。境内に足を踏み入れると、日光東照宮の流れを汲む江戸初期の建築美や、繊細な彫刻の数々が今も鮮やかに残されている。荒波を望む自然美の背後には、水戸徳川家が傾けた情熱と文化的な遺産が脈打っている。