日台の国際試合における歴史を語る上で、決して色褪せないのが2013年WBC東京ドームでの第2ラウンドです。1点を追う9回表2死、ランナーなしの土壇場から鳥谷敬選手が見せた単独スチールは、今なお「日本野球史上最も勇気ある走塁」として語り継がれています。続く井端弘和選手の同点適時打、延長10回の勝ち越し劇に至るプロセスは、球史に残る死闘でした。
当時の台湾代表のエース・王建民投手をはじめとする強力投手陣の前に、侍ジャパンは終始苦戦を強いられました。関係者の証言によると、鳥谷選手の盗塁はベンチからのサインではなく「走れたら走れ」という完全なグリーンライトの状況下、極限の重圧の中で決断されたものでした。
しかし、時代は流れ、2024年11月の「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」決勝において、両国の力関係に歴史的転換点が訪れます。国際大会27連勝中だった侍ジャパンに対し、台湾代表は強固な投手リレーとキャプテン陳傑憲選手の一発などで4-0の完封勝利を収め、主要世界大会で初の金メダルを獲得しました。この結果が、2026年のWBCにおける日台対決の緊張感をかつてない高みへと押し上げています。