錯乱坊のセリフは、一度聞いたら忘れられないインパクトを持ちます。代表的な名言と口癖を振り返ると、彼の独特な世界観が浮かび上がります。
「不吉じゃーっ!」
錯乱坊の代名詞。諸星あたるの背後や机の下、果ては空中から突如巨大な顔面を覗かせて叫ぶ決め台詞です。この一言があたるの日常を破壊し、ドタバタ劇の開幕を告げるファンファーレとして機能します。
「おぬしの顔に死相が出ておる」
あたるをはじめ、不幸な運命に直面する者へ突きつける宣告。言葉自体は深刻極まりないものの、その直後に「ところで何か食い物はないか?」と続ける図々しさこそがチェリー節の真骨頂です。
「この世はすべて幻、現(うつつ)の夢にすぎんのじゃ…ムシャムシャ」
高名な高僧のような無常観を語りながら、他人の弁当やご馳走を平然と平らげる際のセリフ。崇高な仏教的真理と卑近な食欲を同列に扱うナンセンスさは、高橋留美子劇場の真骨頂といえます。