時効で逃げ切った犯人の末路と現在|完全犯罪の残酷な現実と深層

時効で逃げ切った犯人の末路と現在|完全犯罪の残酷な現実と深層

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インターネット上の掲示板やSNSでは、「時効さえ迎えれば罪を堂々と告白して本を出版できる」「奪った金を自由に使って優雅に暮らせる」といった俗説が見受けられますが、これは完全な誤りです。

第一に、刑事上の時効と民事上の不法行為責任は別物です。刑事上の公訴時効が成立して起訴を免れたとしても、被害者や遺族からの不法行為に基づく損害賠償請求権(民法第724条)は別個に進行します。時効成立後に自ら犯人であることを公言した場合、その告白自体が新たな不法行為の証拠となり、莫大な損害賠償請求訴訟を起こされるリスクを負います。

第二に、時効成立後の告白を行った人物を待ち受けているのは、社会的な完全追放です。過去にテレビの特番や雑誌の手記などで「私が真犯人だ」と名乗り出た事例や創作実話が話題になったことがありますが、そうした人物に対して社会が向ける目は冷酷です。近隣住民からの激しい嫌がらせ、インターネット上での個人情報特定、親族への風評被害など、法的な刑罰以上の過酷な社会的制裁が本人だけでなく家族にまで及びます。

奪った金品についても、銀行口座への預金や不動産の購入を行えば税務当局から資金の出所を厳しく追及され、脱税やマネーロンダリングの観点から別の法的責任を問われることになります。「逃げ切って平穏な日常を手に入れる」という結末は、現実の社会構造上あり得ない幻想に過ぎません。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。