高梨沙羅の外見的進化を語る上で欠かせないのが、少女期から成人期にかけて起きた劇的なメイク技術の向上です。メディアに登場し始めた10代半ばのすっぴん画像と比較すると、その変化の鮮やかさに誰もが目を見張ります。
高梨がコスメに強い関心を寄せる契機となったのは、2016年に資生堂の主力日焼け止めブランド「アネッサ」とのスポンサー契約を結んだことでした。過酷な雪山で紫外線や乾燥に晒されるスキージャンプ競技において、肌の保護は死活問題です。当初はスキンケア指導から始まったサポートでしたが、資生堂のビューティートップスペシャリストから受けたパーソナルなメイクアップレッスンが、彼女の美意識を劇的に覚醒させました。
当時のインタビューや特番の取材において、高梨は自身の変化について次のように率直な言葉を残しています。
「すっぴんの自分はまだ幼くて、どこか自信が持てない部分がありました。でも、メイクをすることは私にとって『スイッチ』であり、競技に向かうための戦闘服を着るような感覚なんです」
単なるおしゃれや世間体を意識した装飾ではなく、極限のプレッシャーが漂うスキージャンプ台のスタートゲートに立つためのメンタルスイッチとしてメイクを位置づけた点に、アスリートとしての矜持が宿っています。目頭から目尻にかけて大胆に引かれたキャットラインや、彫りの深さを強調するコントゥアリング技術の習得によって、世界基準の堂々たるオーラを纏う大人の女性へと変貌を遂げました。