なぜ濡れずに海底へ行ける?海中展望塔の驚きの仕組みと全国名所を徹底解説

なぜ濡れずに海底へ行ける?海中展望塔の驚きの仕組みと全国名所を徹底解説

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「なぜ服を着たまま濡れずに海の中へ入れるのか?」という疑問の答えは、過酷な海洋土木技術の結晶であるケーソン(沈函)工法にあります。海中展望塔は、陸上で巨大な鉄筋コンクリートや特殊鋼材の円筒型構造物を建造し、それを船で設置ポイントまで曳航して海底の強固な岩盤へ正確に固定、内部の海水を完全に排水して大気圧の空間を維持する構造を採用しています。

水深5メートルから8メートル前後の海底において、タワーの外壁には1平方メートルあたり数トン規模の静水圧が常時かかります。さらに台風襲来時には、時速数十キロメートルで衝突する破砕波の凄まじい衝撃荷重に耐えなければなりません。展望フロアに設置された丸窓には、通常の板ガラスではなく、厚さ数十ミリメートルに及ぶ高強度合わせアクリル樹脂板や強化複層ガラスが採用され、完全密閉シール材によって外水圧を均等に分散させています。

日本国内における海中展望塔の歴史は、1969年(昭和44年)に和歌山県の南紀白浜温泉に完成した「白浜海中展望塔」から始まりました。翌1970年には、国が海域景観を保護・観光資源化するために「海中公園(現・海域公園)」を指定したことで、全国の選りすぐりの沿岸部に展望塔が次々と建設されました。船の潜望鏡のように海上に突き出たデッキから狭いらせん階段を降りていく感覚は、レトロフューチャーな潜水艦に乗り込むかのような高揚感をもたらします。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。