唇顎口蓋裂の治療は、赤ちゃんの身体の成長と発達段階に合わせて綿密に計画されます。代表的な外科手術の標準スケジュールは以下の通りです。
最初の関門となる「口唇形成術」は、体重が5kg〜6kgを超え、全身麻酔に耐えられる体力がつく生後3か月〜6か月頃に実施されます。ミリ単位で唇の筋肉(口輪筋)を正確につなぎ合わせ、自然な人中(鼻の下の溝)やキューピッド弓を再建します。続いて、言葉を話し始める前の1歳〜1歳半頃(体重10kg前後)に「口蓋形成術」を行い、上あごを閉じて鼻へ息が抜けない構造をつくります。さらに学童期(8〜11歳頃)には、永久歯をきれいに並べるための「顎裂骨移植術」を検討するのが一般的です。
費用面に関しては、高額な医療費を心配する声が絶えません。しかし、唇顎口蓋裂は国が定める特定疾患に該当し、「自立支援医療(育成医療)」の保険適用対象となります。自治体の乳幼児医療費助成と組み合わせることで、入院・手術にかかる自己負担額は実質的にほぼ無料、あるいはわずかな食事療養費のみで済むケースが大部分です。経済的な理由で治療を諦める必要はありません。