野生下における棲み分けと、採集現場での生態差も興味深いポイントです。
オオクワガタは本来、西日本の台場クヌギ林や東北地方のブナ帯など、樹齢を重ねた巨木の深い樹洞(木のウロ)に潜み、滅多に外に出てこないため「黒いダイヤ」として希少価値を高めました。
ヒラタクワガタは生息域が広く、平地から低山地の雑木林、河川敷のヤナギ林、公園のクヌギ・コナラなど身近な環境に定着しています。樹皮のめくれや根元の浅い洞に潜んでおり、昼間でも掻き出し棒などを用いて採集することが可能です。
また、割り出し時における幼虫の見分け方については、終齢(3齢)幼虫の「頭幅(とうぷく)」と「体色」が目安になります。同体重で比較した場合、オオクワガタの幼虫は頭幅が大きくオレンジ色が濃い傾向があり、ヒラタクワガタの幼虫は頭部がやや小ぶりで黄色味が強い特徴を持ちます。ただし幼虫期の完全な同定は難しいため、採取した木の種類や周囲の成虫生息状況を加味して総合的に判断されます。