ロフストランド杖の選び方と松葉杖の違い!腕の負担を激減させる調整法

ロフストランド杖の選び方と松葉杖の違い!腕の負担を激減させる調整法

ロフストランド杖の選び方と松葉杖の違い!腕の負担を激減させる調整法の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。

インターネット上のQ&Aサイトや一部のブログ記事では、「ロフストランド杖は高齢者の一本杖(T字杖)の代わりとしては重すぎて使えない」という極端な言説が見受けられます。しかし、これは明確な誤解です。

近年の製品開発は目覚ましく、高品質なアルミニウム合金やカーボンファイバー(炭素繊維)を採用したモデルでは、本体重量が約450g〜550g前後と、標準的なT字杖と比べてもわずか100g程度の差に収まる軽量設計が主流になっています。握力が弱く一本杖では手首がぐらついてしまう高齢者にとって、前腕を預けられるロフストランド杖の方が、結果として少ない腕力で安定した前進力を得られるケースが多々あります。

また、「リハビリ用の仮の杖であり、永続的に使うものではない」という認識も誤りです。ヨーロッパを中心とする福祉先進諸国では、下肢の慢性的な麻痺や関節症を抱える方の生涯にわたる常用杖として、高いデザイン性と人間工学に基づいたグリップを持つモデルが広く普及しています。

【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準

リハビリテーション工学および身体機能評価の観点から導き出される、本杖の導入適正基準は以下の通りです。

【おすすめできる対象者】

  • 股関節・膝関節の手術後、あるいは骨折の回復期で部分免荷(体重の3分の1〜半分程度の免荷)が必要な方
  • 変形性関節症や関節リウマチにより、T字杖を使うと手首や手のひらに激しい痛みが生じる方
  • 脳卒中片麻痺などで軽度の麻痺が残り、通常の杖では腕のふらつきが抑えきれない方
  • 握力が低下しており、長時間の外出で杖を握り続けることが困難な方

【導入に慎重になるべき対象者】

  • 医師から「患部に全く体重をかけてはならない(完全免荷)」と指示されている急性期の患者(両側松葉杖や車椅子が必須)
  • 認知機能の著しい低下や重度の体幹失調があり、杖を突くタイミングや体重移動の協調動作が保てない方(四点杖や歩行器の検討が優先)

なお、要支援・要介護認定を受けている方であれば、介護保険の「福祉用具貸与」を利用して月額数百円の自己負担でレンタル可能です。身体状況の変化に合わせて製品やサイズを柔軟に変更できるため、購入に迷う場合はケアマネジャーや理学療法士に相談の上、レンタルからの導入を強く推奨します。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。