近畿厚生局の公式サイトで定期的に公開・更新されている施設基準届出状況一覧は、各医療機関がどのような加算基準を取得しているかを透明化する公的データです。しかし、この届出は「一度提出すれば終わり」ではありません。
保険医療機関や保険薬局、訪問看護ステーションは、毎年8月1日現在の体制について、基準を満たしているかを地方厚生局長へ報告する定例報告が義務付けられています。看護師の配置基準や専従医師の勤務実態など、要件を割り込んでいるにもかかわらず届出を取り下げずに加算を請求し続けた場合、適時調査で厳格に追及されます。
新聞やテレビを騒がせる保険医取消のニュースの背後には、氷山の一角とも言える深刻な行政処分の真相が横たわっています。近畿厚生局管内でも過去に、以下のような不正行為によって「指定取消」や「保険医登録の取消」という最も重い処分が下された実例が存在します。
- 架空請求:実際には来院していない患者の保険証情報を用い、診療を行ったかのように装って請求する行為。
- 付増請求:実施した検査や処置の回数・内容を水増しして高額な点数を詐取する行為。
- 振替請求:保険適用外の自由診療で行った施術を、保険適用の病名にすり替えて不正請求する行為。
これらの不正が発覚した場合、原則として5年間は保険医療機関の再指定が認められないだけでなく、過去5年間に遡った全額返還(加算金を含む)が課され、組織としての信用は完全に失墜します。