「努力義務なら貼るメリットがないのではないか」と考えるシニアドライバーは少なくありません。しかし、標識を車体に掲示することの真の価値は、「周囲のドライバーに対して法的な保護義務を発生させる」という点にあります。
道路交通法第71条第1項第5号の4では、高齢運転者標識を表示している普通自動車に対して、危険防止のためやむを得ない場合を除き、「幅寄せ」や「進路の前方への無理な割り込み」を行ってはならないと明確に規定しています。これは初心者マーク(初心運転者標識)を付けた車両に対する保護と全く同一の法的効力です。
もし周囲の車両がマークを貼ったシニアカーに対して強引な追い越しや割り込みを行った場合、「高齢運転者等保護義務違反」に問われます。違反者には以下の行政処分および反則金が科されます。
- 違反点数:1点
- 反則金:大型車・中型車 7,000円 / 普通車 6,000円 / 二輪車 6,000円 / 小型特殊 5,000円
つまり、高齢運転者標識は「私は運転が不慣れです」と自己卑下するための印ではなく、周囲の無謀な運転から身を守る「法的なディフェンスシールド」として機能しているのです。