スーパーターボを語る上で欠かせないのが、先行して1988年に全日本ラリー選手権向けに投入されたホモロゲーションモデル「マーチR」の存在です。両者は同じMA09ERT型エンジンを心臓部に持ちますが、そのキャラクターと仕様には明確な違いがあります。
マーチR(EK10FR型)は、徹底した軽量化のため遮音材やリアシート、快適装備を排除し、競技用クロスミッションや専用サスペンションを備えた完全なコンペティション仕様でした。これに対し、翌年登場したマーチ スーパーターボは、パワーステアリング、エアコン、オーディオ、パワーウインドウ(オプション)などの快適装備を盛り込み、クロスレシオを日常ユースにも適したギア比へ再設定した「日常乗れるラリーカー」として仕立て直されたモデルです。日常の足として使いながら、アクセルを踏み込めば競技車さながらの過給レスポンスを味わえる二面性こそが、多くのエンスージアストを虜にしました。