近年における最大の変更点といえるのが、不動岡高校制服スラックス導入の本格運用です。多様な性自認への配慮という理念的な側面に加え、加須市という地域特有の地理的・気候的要因がこの選択肢を不可欠なものにしました。
加須地域は冬期になると、上州から吹き降ろす強烈な寒風(赤城おろし)に晒されます。多くの生徒が最寄りの加須駅から、あるいは自宅から自転車で長距離を通学するなか、スカートのみの防寒には限界がありました。導入当初こそ「どれくらいの生徒が履くのか」と様子見の空気もありましたが、現在では冬場の防寒対策や機動性の確保を目的として、スカートとスラックスを併有し、日々の気候や体調に応じて使い分けるスタイルがごく自然に受け入れられています。
「見た目だけでなく、日々の通学ストレスが劇的に軽減された」という女子生徒の声に象徴されるように、伝統を守ることと機能的な合理性を両立させた好例といえます。