一度積み立てた利益準備金は永久に動かせないわけではありません。欠損填補(過去の赤字補填)を行いたい場合や、資本構成を是正したい場合には、利益準備金の取り崩し(減少)が可能です。
取り崩しを行うには、原則として株主総会の普通決議が必要です。取り崩した利益準備金は、その他利益剰余金(繰越利益剰余金)へ振り替えることで、累積損失の解消に充当できます。
なお、準備金を減少させて配当財源に回す行為は債権者にとって重大なリスクとなるため、原則として債権者保護手続き(1ヶ月以上の官報公告および個別催告)を経なければなりません。
また、企業が自由に配当できる金額(配当可能限度額)の算定においても、利益準備金は重要な要素となります。純資産額が300万円を下回る場合や、分配可能額の計算式から外れる剰余金は配当原資にできないため、財務管理上の綿密なシミュレーションが求められます。