クマ取り施術が一般化する一方で、メディアやネット上には危険な誤解や過度な期待が蔓延しています。医療現場の第一線を取材すると、知られざる落とし穴が浮かび上がってきます。
「クマ=内臓の病気」という過度なネット言説のウソ
検索エンジンや質問投稿サイトで「クマ 芸能人 病気」と調べると、肝臓疾患や腎臓機能の低下を煽る記事が散見されます。しかし、臨床医学上、下まぶたの黒ずみだけで内臓疾患が判明することは極めて稀です。全身性の重篤な浮腫や黄疸を伴わない限り、テレビに映るクマのほぼ全例は、解剖学的な皮膚の薄さと脂肪配置の問題に過ぎません。視聴者がいたずらに重病説を拡散することは、タレント本人に対する深刻な風評被害を生む要因となっています。
脱脂術の過剰切除による「くぼみ目・老け見え」の悲劇
もう一つの深刻な盲点が、クマ取り整形の手術リスクです。現在主流となっている「経結膜脱脂術」は、下まぶたの裏側から余分な脂肪を取り出す画期的な手法ですが、医師が脂肪を過剰に摘出しすぎた結果、目の下が不自然に窪み、かえって実年齢より老けて見えるトラブルが多発しています。
現役の形成外科専門医は次のように警告します。「下まぶたの眼窩脂肪は、ただ減らせばいいというものではありません。取りすぎると、今度は頬の骨の輪郭が浮き彫りになり、骸骨のような影が固定化してしまいます。芸能人の中にも、手術後に『以前のふっくらした若々しさが消えた』と囁かれる方がいますが、その多くは適切な脂肪再配置(裏ハムラ法など)を行わず、脱脂のみを急いだ結果の失敗例です」。手軽さばかりが強調される施術ですが、不可逆的な変化を伴う医療行為である現実を見落としてはなりません。