「疲労困憊で本だたみをする気力がない」「花火大会の遠征先で手早くスーツケースへまとめたい」という場面では、簡易的かつ実用的な「袖だたみ」が重宝します。
袖だたみは、左右の袖を背中側で合わせ、肩幅のラインで身頃を半分に折り、さらに袖を身頃側へ折り返してから丈を半分にたたむだけのシンプルな手法です。ものの数十秒で完了するため、着用直前の一時的な移動や、翌朝にきちんとお手入れするまでの仮置きとして活用してください。数日以上そのまま放置すると背中心や袖に余計な縦ジワが定着するため、あくまで一時的な緊急避難と割り切るのが鉄則です。
また、男性の浴衣のたたみ方は、女性用と構造がほぼ同じなため基本的に本だたみで問題ありません。ただし、男性用には女性用にある「身八つ口(脇の開き)」がなく、おはしょりを作らない対丈(着丈そのまま)仕立てになっているため、女性物よりも身頃がもたつかず、はるかに簡単にラインが揃います。
一方、子供の浴衣のたたみ方には独自の注意点があります。子供用にはあらかじめ「肩上げ」や「腰上げ」が縫い留められているケースが多く、大人のように完全な直線になりません。無理に縫い目を引っ張って平らにしようとせず、上げの段差を自然に逃がしながら、全体の四角いフォルムを崩さないようふんわりと本だたみに準じてたたむのがポイントです。