東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が公表する成約データや現地大手仲介会社の定点観測によると、都筑区中古マンション相場は過去5年間で約25〜30%の上昇を記録しました。2026年時点における専有面積70㎡あたりの平均成約価格は、駅徒歩10分圏内で5,800万〜7,200万円台に達しており、一部のハイグレード物件では平米単価110万円を突破する事例も珍しくありません。
これほどの高騰を支えている最大の要因は、計画都市としての圧倒的な完成度と、東京都心からの実需層の大量流入です。港北ニュータウンは、歩行者専用道路(緑道)と車道を完全に立体交差で分離した「グリーンマトリックスシステム」を採用しており、子どもが車道に出ることなく公園や学校へ通える安全性を誇ります。世田谷区や目黒区で70㎡・1億円超の新築を断念した世帯年収1,200万〜1,600万円前後のパワーカップルが、「子育て環境の理想郷」を求めて都筑区へターゲットを切り替えている動きが顕著です。
さらに見逃せないのが、新築供給の圧倒的な少なさです。都筑区内の優良な宅地開発はすでに一巡しており、大規模な新築マンション用地はほとんど残されていません。新規供給が細るなかで流入需要だけが膨らみ続けた結果、既存の優良ストックに買い手が集中し、港北ニュータウン資産価値が都内近郊の郊外都市を大きく上回るペースで押し上げられたのが市場構造の真相です。