格調高い手紙や公的なビジネスレターで用いられる漢語調の時候の挨拶。代表的な語句の正確な意味と使用ルールを押さえておきましょう。
新緑の候 使う時期と意味
読み方:しんりょくのこう
使う時期:5月全般(特に上旬〜中旬が最も自然)
意味と背景:山野や街路樹の若葉が鮮やかな緑色に変わる様子を指します。5月の時候の挨拶の中でも最もポピュラーで、フォーマルな書状から取引先への連絡まで幅広く重宝されます。ただし、樹木がすでに深い緑で覆われる5月最終週になると、受取手によっては季節のズレを感じる場合があるため注意しましょう。
薫風の候 読み方と例文
読み方:くんぷうのこう
使う時期:5月上旬(立夏以降)〜5月中旬・下旬前半
意味と背景:若葉の間を吹き抜けてくる初夏の爽やかな風(薫風)を指します。初夏の清々しさを伝える美しい表現としてビジネス書簡でも人気があります。
【例文】「拝啓 薫風の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
立夏の候 使い方とマナー
読み方:りっかのこう
使う時期:5月5日頃(立夏当日)〜5月20日頃(小満の前日まで)
意味と背景:二十四節気の「立夏」の期間に限定して用いる時候です。「暦の上では夏を迎えた」という節目を表す言葉であるため、立夏を迎える前(5月1日〜4日頃)に使用するのは完全なマナー違反となります。
初夏の候 いつからいつまで
読み方:しょかのこう
使う時期:5月上旬(立夏・5月5日頃)〜6月上旬(芒種の前日・6月5日頃まで)
意味と背景:「初夏」は暦の上の夏の始まりを指します。一般的に5月いっぱいは問題なく利用できますが、5月頭の数日間はまだ春であるため避けるのが安全策です。
皐月の候 読み方と時期
読み方:さつきのこう
使う時期:5月全般(5月1日〜5月31日)
意味と背景:「皐月」は旧暦5月の異称です。現代の陽暦5月においても月名を用いた時候の挨拶として1ヶ月間いつでも使えます。時期選びに迷った際に使い勝手の良い語句です。
晩春の候 時期と使い分け
読み方:ばんしゅんのこう
使う時期:4月下旬〜5月4日頃(立夏の前日まで)
意味と背景:春の終わりを惜しむ時候です。5月に入ってからも数日間は使用できますが、5月5日の立夏を境に夏となるため、5月中旬以降に「晩春」と記すと明らかな誤用と判断されます。