中華点心の皮には、餃子やシュウマイのほかに「ワンタンの皮」や「春巻きの皮」が存在します。これらを混同して使用すると、さらに大きな調理事故に発展しかねません。それぞれの立ち位置を整理します。
まずワンタンの皮は、一見するとシュウマイの皮とほぼ同サイズ(約8cm四方)かつ同等の薄さに見えます。しかし最大の違いは、前述の通り「かんすい」が練り込まれている点にあります。アルカリ成分によって小麦のグルテンが強固になり、熱いスープに長時間浮かべても煮崩れせず、表面がツルツルと滑らかに仕上がります。もしワンタンの皮でシュウマイを包んで蒸すと、独特のかんすい臭が鼻につき、肉の繊細な風味をマスキングしてしまう恐れがあります。
そして最も特殊なのが春巻きの皮です。春巻きの皮は、生の小麦粉生地をそのまま包装している他の3種とは異なり、製造工程で一度加熱(鉄板でクレープ状に薄く焼き上げ)されているのが特徴です。そのため生食に近く、そのまま具材を巻いて多量の油で揚げる設計になっています。水分を含むと急速にふやけてベタつく性質があるため、蒸し料理や水分の多い蒸し焼き餃子に代用することは技術的に極めて困難です。