外国の株式や債券を組み入れた投資信託を購入する際、商品名に「為替ヘッジなし」あるいは単に何も表記されていない銘柄が数多く存在します。この投資信託為替ヘッジなしとは、外国為替相場の変動リスクを回避(ヘッジ)するための金融取引を行わず、為替レートの動きをそのままファンドの基準価額に反映させる運用手法を指します。
具体的には、米国株などの外貨建て資産を購入する場合、投資家が投じた日本円は米ドルなどに両替されて運用されます。このプロセスにおいて為替変動対策を講じないため、基準価額は「組み入れ資産そのものの値動き」と「為替レートの変動(円高円安と為替差損益)」という2つの要因が掛け合わされて日々決定されます。
例えば、保有している米国株の株価が現地通貨ベースで変動しなかったとしても、為替が1ドル=150円から160円へと「円安」に振れれば、日本円換算の資産価値は約6.7%増加します。これが為替差益です。逆に、1ドル=150円から140円へと「円高」が進んだ場合、株価自体が下落していなくても日本円ベースの資産価値は約6.7%目減りし、これが為替差損となります。
為替ヘッジなしを選択することは、単に海外企業の株式を保有するだけでなく、同時に「外貨を保有している」ことと同義です。これにより、国内資産のみに依存しない実質的な外貨建て資産運用を自動的に実践できる構造が生まれます。