育児現場を取材すると、生後4ヶ月の夜泣きクライシスは家庭崩壊の引き金になりかねない深刻な現実が浮き彫りになります。SNSや相談窓口に寄せられる当事者の告白は凄惨を極めます。
「深夜0時、2時、3時半、5時と1時間おきに起こされ、意識が朦朧として階段を踏み外しかけた」「抱っこ紐のまま壁にもたれて朝を迎える毎日で、腰と背中の激痛で涙が止まらない」といった身体的悲鳴だけではありません。「なぜ泣き止んでくれないのかと我が子に殺意に似た感情を抱いてしまい、自己嫌悪で押しつぶされた」という精神的限界の告白も後を絶ちません。
この悲劇を増幅させているのが、日本の育児現場に根強く残る「夜泣きは母親が耐え忍ぶもの」「母乳を欲しがるなら何度でも添い乳するのが愛情」という旧来の情緒的規範です。睡眠不足が蓄積した人間の前頭葉機能は、酩酊状態と同レベルまで低下することが医学的に証明されています。科学的根拠に基づかない根性論は、産後うつや乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)の引き金を引く構造的リスクにほかなりません。