切梁とは?腹起しとの違いや役割・崩壊防ぐプレロード工法まで徹底解説

切梁とは?腹起しとの違いや役割・崩壊防ぐプレロード工法まで徹底解説

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土木・建築の初学者が最も混同しやすいのが「切梁」「腹起し(はらおこし)」「火打ち梁(ひうちばり)」の3部材だ。これらはすべて山留め支保工を構成する仲間だが、作用する力学的作用と設置される向きは全く異なる。この関係性を理解していなければ、施工図面の読解も安全管理も成り立たない。

第一に、「腹起し」は鋼矢板(シートパイル)や親杭横矢板といった山留壁の内周面にピタリと沿わせ、水平方向に帯状に流す部材である。背面地盤から山留壁全体にかかる面状の土圧を一次的に受け止め、その荷重を集中荷重として切梁に伝達する役割を担う。つまり、腹起しにかかる主な応力は横からの力で部材が曲げられる「曲げモーメント」および「せん断力」だ。

第二に、「切梁」は向かい合う腹起しと腹起しの間に直角に架け渡し、両側から押し寄せる土圧を真っ向から突っ張る「圧縮材」である。腹起しが受け止めた莫大な土圧を、左右対称に突っ張り合わせることで均衡を保つ。腹起しが「土圧の受け皿」なら、切梁は「空間を支える突っ張り棒」と言い換えることができる。

第三に、「火打ち梁」は切梁と腹起しが交差する入隅や出隅のコーナー部分に、斜め45度前後の角度で架け渡す斜材補強部材だ。掘削現場のコーナー部は直角に折れ曲がっているため構造的に変形しやすく、周辺地盤の偏土圧(左右で異なる不均等な圧力)や地震時の水平荷重によって直角の接合部が歪みやすい。火打ち梁を三角形(トラス構造)に配置することで接合部の変形を強固に拘束し、支保工全体の水平剛性を劇的に高める仕組みだ。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。