騒動の火種が投じられたのは2019年11月のことでした。新井祥子元町議がライターの飯塚玲児氏と共謀し、電子書籍『草津温泉 漆黒の闇』を発行。「町長室で黒岩信忠町長から性的な被害を受けた」と突如告白したことがすべての始まりです。
これに呼応するように、ウェブメディアや個人ブログで「草津温泉 漆黒の闇 ブログまとめ」や「草津 漆黒の闇 第5弾」といった扇情的な見出しの記事が次々と投稿されました。草津町政の腐敗や陰謀を匂わせる過激な言説が連日ネット上を駆け巡り、事情を詳しく知らない一般読者や活動家たちの正義感を巧みに刺激していったのです。
告発内容は「町長室のドアを閉め切られ、抵抗できない状況で肉体関係を強要された」という衝撃的なものでした。このセンセーショナルなストーリーは、当時世界的に広がっていたソーシャルムーブメントの潮流に乗り、真偽の検証がなされないまま急速に拡散されていきました。