「へつり」とは、会津の方言で「危険な崖」「切り立った断崖」を意味する。第三紀凝灰岩や砂岩の地層が100万年という途方もない時間をかけて風雨と激流に削られ、塔の形をなして並び立つ姿からその名がついた。夫婦岩、屏風岩、烏帽子岩、象頭岩など、それぞれの岩には特徴的な形になぞらえた名が冠せられ、ひとつひとつが独自の表情を漂わせている。
川に架かる揺れる「藤見橋」を渡ると、岩肌を削って作られたスリリングな断崖の遊歩道へと足を踏み入れることができる。岩の内側が抉り取られてできた自然の回廊を歩く体験は、まるで太古の地球の胎内へと潜り込むような錯覚をもたらす。自然景観・絶景観光を求める旅人にとって、この圧倒的な造形美と空間の広がりは、日常の喧騒を一瞬で忘れさせる特別な力を持っている。