オリーブアナアキゾウムシの駆除において、最も確実かつ農林水産省の適用登録がある薬剤が「スミチオン乳剤(MEP剤)」です。園芸用殺虫剤として広く知られていますが、オリーブに使用する際は一般的な草花への散布とは異なる厳格な仕様基準が存在します。
スミチオン乳剤の正確な希釈倍率と散布ルール
オリーブの樹木本体に対するスミチオン乳剤の適用基準は「50倍希釈」です。アブラムシなどに用いる1000倍希釈などでは、厚い樹皮の下に潜むゾウムシの幼虫や硬い甲皮を持つ成虫に対して十分な薬効を発揮できません。
- 希釈倍率:50倍(水1リットルに対してスミチオン乳剤20ml)
- 散布対象:葉ではなく、地際から高さ約1mまでの主幹部へ滴り落ちるほど十分に塗布・散布
- 年間の使用回数制限:収穫前日までに年間3回以内(農薬取締法の規定を遵守)
- 散布時期の目安:成虫の活動が活発化する4月上旬、6月下旬、8月下旬〜9月上旬の年3回
幹の中に潜む幼虫の見つけ方と物理的アプローチ
おがくずが出ている場所を特定したら、薬剤散布に加えて物理的な駆除を併用することで駆除の確実性が飛躍的に高まります。
樹皮が浮いている箇所をマイナスドライバーや剪定ナイフで慎重に削り取ると、茶色い食害痕(坑道)が現れます。坑道に沿って針金(園芸用ワイヤーなど)を差し込み、奥に潜む幼虫を直接突き刺して捕殺します。穴の奥深くまで薬剤を行き渡らせるため、市販のスポイトや園芸用シリンジを用いて50倍希釈のスミチオン液を穴へ直接注入する手法も極めて有効です。