慰安婦に関するビジュアル資料の多くは、米国メリーランド州にある米国国立公文書館(NARA)に保管されています。ここには静止画だけでなく、16ミリフィルムで撮影された動画記録も収蔵されており、2017年にはBBCニュース等で「米公文書記録から発見された慰安婦の動画」として短時間の映像が世界中に報じられました。
公文書館に保管されている資料の特徴は、写真ごとに「写真番号(Negative Number)」「撮影日」「撮影者(カメラマンの名前)」「キャプション(米軍将校による状況説明)」が厳格に記録されている点です。これらの歴史的資料を検証することで、以下のような事実が明らかになっています。
第一に、撮影場所の多くがビルマ(現ミャンマー)のミートキーナや中国雲南省の騰衝など、激戦地の後方補給基地や捕虜収容施設であったこと。第二に、米軍側の記録意図が「対日プロパガンダ」および「戦況報告・インテリジェンス収集」であったため、女性たちの健康状態や出身地、帯同の経緯などが軍事的視点から簡潔に記述されていることです。現在では、Getty Images等の国際的フォトアーカイブにも700点を超える関連エディトリアル画像が登録され、学術研究や報道で活用されています。