英語の月名には、すべて古代ローマの歴史、神話、あるいは天文学的な背景が刻まれています。その中でも「3月」は、歴代の暦の中で特別な立ち位置を占めていました。3月 英語 由来の根底にあるのは、ローマ神話における戦いと農耕の神「マルス(Mars、ラテン語ではMartius)」です。
紀元前8世紀頃の古代ローマで使われていた「ロムルス暦(Romulus calendar)」では、現在の1月や2月にあたる期間には月名が存在せず、春が訪れて農業や軍事行動が再開できるようになった時期を「年の始まり」と定めていました。つまり、当時の暦において第1の月こそが3月(Martius)だったのです。
厳冬期が終わり、兵士たちが戦場へと遠征を開始する季節であったことから、軍の守護神であるマルスの名が冠されました。その後、紀元前700年頃のヌマ暦への改暦や、紀元前46年のユリウス暦の導入によって年の初めに「1月(Januarius)」と「2月(Februarius)」が挿入され、3月は暦の上で「3番目の月」へと繰り下げられました。
しかし、名称自体は変更されることなく受け継がれ、古フランス語を経由して中英語の「March」へと発展しました。「生命の躍動」と「軍事遠征の号砲」という2つの意味合いを併せ持つマルスの名残が、2026年現在の英語表現の中にも息づいています。