1987年にフジテレビへ入社した彼女は、当時の女子アナブームの渦中にありながら、どこか冷静で芯のある佇まいを見せていた。『プロ野球ニュース』などで見せた圧倒的な安定感と、過剰な演出に頼らない聞き手としての手腕は、当時のスポーツアナウンスのあり方を根底から変えたとも言われる。独立してフリーアナウンサーとなった後も、その信頼感は揺らぐことがなかった。
現在の彼女を形作っている大きな要素、それが演劇・舞台芸術への尽きない情熱である。かつてテレビのゴールデンタイムで数々の大役を務めた名司会者が、今や劇場へ足を運び、役者や演出家の思考を注意深く紐解くインタビュアーとして、演劇の深淵を伝え続けている。メディアのトレンドがどれほど変化しようとも、彼女の根底にある「表現者へのリスペクト」は一貫している。