まず確認しておきたいのが、辞書に記載されているwrongの発音記号です。アメリカ英語では主に/rɔːŋ/または/rɑːŋ/、イギリス英語では/rɒŋ/と表記されます。記号を見れば明らかなように、単語の先頭にある「w」に該当する記号(/w/)はどこにも存在しません。
日本人が「wrong」をカタカナで読もうとすると、「ウォロング」や「ワロング」のように「W」の音を無理に発音しようとしてしまいがちです。しかし、この単語の先頭のWは音を出さないサイレントW(黙字のW)です。「write(書く)」「wrap(包む)」「wrist(手首)」などと同じく、綴りには存在するものの発音は完全にスキップされます。
なぜ読まない文字が存在するのかというと、古英語の時代には実際に「w」の音を喉の奥で鳴らしながら発音していた歴史的背景があります。時代の変遷とともに「w」と「r」の連続音は発音しにくいため音だけが脱落し、文字のスペリングだけが現代に残った結果が現在のサイレントWのルールです。したがって、「wrong」の発音のスタート地点は「W」ではなく、最初から「R」の音を出すことが鉄則となります。