彼の音楽を象徴するのは、歌声と一体化して感情を増幅させる圧倒的な鍵盤ワークだ。幼少期からクラシックの基礎を叩き込まれ、同時にブラックミュージックの熱量に感化されたバックボーンを持つ。彼は単に歌うだけではない。鍵盤を通じて楽曲の骨格を自在に組み上げる孤高のピアニストなのだ。弾き語りというスタイルのなかで、ピアノは歌の伴奏ではなく、対等に言葉を交わす相棒として機能している。
その溢れる才能を見出し、メジャーシーンへと送り出したのがソニー・ミュージックエンタテインメントだった。妥協のない妥協なきサウンドプロダクションと、最高峰の音響環境を提供するレーベルのバックアップを得たことで、彼の表現力は一気に覚醒。アジア出身のアーティストとして日本の音楽史に確固たる足跡を刻む原動力が、ここで形成されたのである。