人間の脳内メカニズムを加速させる触媒となっているのが、SNSのアルゴリズムにほかならない。特にX(旧Twitter)などのプラットフォームでは、穏やかな議論よりも、強い感情や激しい怒りを伴う投稿の方がタイムライン上で拡散されやすい設計になっている。
ユーザーはタイムラインを開くたび、怒りを煽るニュースや他人の過ちに関するゴシップを目にする。アルゴリズムは個人の感情を揺さぶるコンテンツを優先的に表示するため、画面の向こう側は常に「許しがたい悪」で満ち溢れているように見えてしまう。
客観的視点を失い、怒りの感情に没入するにつれて、認知の歪みは深まっていく。自分と異なる意見を持つ者を即座に「悪」と断定し、攻撃することを正当化する。こうして、プラットフォームのビジネスモデルと人間の脳の脆弱性が悪魔的な相乗効果を生み出している。