オープン直後の売り場で異彩を放っていたのが、この春新たに投入された注目の限定「ハードクラスト・アーティザンバゲット」だ。紙袋から突き出た無骨なフォルム、表面に刻まれた美しいクープ(切れ込み)。手に取るとずっしりとした重みがあり、外側の皮は指で叩くとコンコンと高い音が響くほどパリッと焼き上げられている。
実際に切り分けて一口頬張ってみた。バリッという快音の直後、中からあらわれるのは驚くほどみずみずしく、大きな気泡が抱き込んだモチモチの生地だ。噛みしめるたびに、発酵バターのほのかな酸味と小麦本来の強い甘みが口いっぱいに広がる。余計な保存料を感じさせないクリアな味わいは、一本300円前後という価格設定を疑うレベルである。間違いなく今季「絶対買うべき」筆頭株だ。