現在、日本で最も警戒されているのが、駿河湾から九州沖にかけてのプレート境界に位置する「南海トラフ巨大地震」です。内閣府の有識者会議が取りまとめた最新の被害想定では、科学的に想定しうる最大クラスとしてマグニチュード9.1が設定されています。
この想定は、東海・東南海・南海の3つの震源域が同時または時間差で連動し、さらに日向灘やプレート深部・浅部まで破壊が及ぶ「最大クラス(1,000年に1度あるいはそれ以下の頻度)」をモデル化したものです。万が一発生した場合、以下のような破局的被害が懸念されています。
- 想定最大震度:静岡県から宮崎県にかけての広範囲で「震度7」を記録
- 巨大津波:太平洋沿岸の複数地域に「最大30m超」の津波が最短数分で到達
- 被害想定:最悪のシナリオで死者・行方不明者数約29万8,000人、全壊・焼失棟数約238万棟
M9クラスの超巨大地震は、単に揺れが大きいだけでなく、揺れの継続時間が数分間に及ぶこと、そして超高層ビルを共振させる長周期地震動が遠隔地まで到達することが実証されています。「想定外」を排除した科学的検証が進められるなか、建物の耐震化や避難タワーの整備、早期避難態勢の構築が最優先課題となっています。