日産自動車が1972年9月に市場へ投入したC110型スカイラインは、先代である「ハコスカ」(C10ロングセラー)の無骨で硬派なレース直系イメージから一転、洗練されたクーペスタイルと情緒的なプロモーションを展開しました。その核となったのが、若い男女の旅路を描く「ケンとメリー」のキャンペーンです。
当時、フォークグループBUZZ(バズ)が歌ったケンメリ CM ソング『ケンとメリー〜愛と風のように〜』は、オリコンチャートの上位に長期ランクインし、30万枚を超えるセールスを記録しました。ジーンズやTシャツといったグッズを求める若者が販売店に殺到し、車そのものを買えない世代までも巻き込む一大ムーブメントへと発展したのです。
キャンペーンを彩った初代ケンとメリー 俳優 現在の足跡についても、多くのファンの間で関心が持たれ続けています。初代ケン役を務めた俳優はモデル引退後に独自の人生を歩み、メリー役を務めたダイアン・クレイ氏もまた、当時の華やかな記憶を残しながらメディアの表舞台から静かに退きました。作られた虚構ではなく、若者たちの自由への憧れを等身大で体現したキャスティングこそが、半世紀を超えて愛される原動力となっています。