ドラッグストアの棚を眺めると、パッケージに「トクホマーク」がついた製品と、「機能性表示食品」と書かれた製品が混在していることに気付きます。この2つの制度的差異を正しく理解していない消費者は少なくありません。
高血圧サプリ特定保健用食品(トクホ)は、その製品自体を用いてヒト臨床試験を実施し、国の機関(消費者庁および食品安全委員会)が有効性と安全性を個別審査した上で販売を許可したものです。国のお墨付きを得るまでに数億円規模の費用と数年の歳月がかかるため、市場に流通する商品数は絞られますが、製品そのものの実証データとしては信頼性が極めて高い部類に入ります。
一方、血圧サプリ機能性表示食品は、国の個別審査を経ず、事業者の責任において科学的根拠(臨床試験の論文またはシステマティック・レビュー)を消費者庁長官へ届け出ることで機能性を表示できる制度です。参入障壁が低いため製品バリエーションが豊かで、価格帯も手頃なものが多い反面、製品ごとの品質管理やエビデンスの厚みにはメーカーごとのバラつきが生じやすいという構造的課題を抱えています。
2026年に発生した健康食品を巡る一連の社会問題を受けて、2026年現在の機能性表示食品制度はGMP(適正製造規範)準拠の義務化や健康被害情報の行政報告の厳罰化が進んでいます。安価なノーブランド品に安易に飛びつくのではなく、品質管理体制が第三者機関によって認証されている大手メーカーの製品を選ぶ視点が不可欠です。