ステロイド外用薬の効果を最大限に引き出し、副作用を防ぐためのグローバルスタンダードがFTU(Finger Tip Unit:フィンガーチップユニット)です。
大人の人差し指の先端から第1関節までチューブから絞り出した量(約0.5g)が「1 FTU」に相当します。この1 FTUが「大人の手のひら2枚分」の面積に塗る適量です。多くの患者が「副作用が怖いから」と薄くすり込むように塗ってしまいますが、これでは薬効が発揮されず、かえって治療期間が長期化する原因となります。塗った直後にティッシュペーパーが皮膚に張り付く程度、あるいは光を当てるとしっとり光る程度の厚みを持たせて優しく乗せるのが臨床現場の正しい指導です。
市販薬(OTC)を購入する際は、法律上「Ⅲ群(Strong)」「Ⅳ群(Medium)」「Ⅴ群(Weak)」の3段階から選ぶことになります。市販薬のパッケージには「アンテドラッグステロイド」と表記されている製品(吉草酸酢酸プレドニゾロン等)が多く見られます。これは患部でしっかり抗炎症作用を発揮したあと、体内に吸収されると速やかに低活性物質へと分解される設計になっており、市販薬として高い安全性と効果を両立させています。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
ステロイド外用薬は、皮膚の激しい火事を一刻も早く鎮火するための「消防車」です。以下に使用判断の境界線をまとめます。
- 即座に使用・適切な処方を受けるべき人:
- 激しい痒みで夜間に中途覚醒してしまうアトピー性皮膚炎や接触皮膚炎
- かき壊して赤みや腫れが急速に拡大している急性湿疹
- 短期間で確実に炎症を抑え、色素沈着や慢性化を防ぎたいケース
- 市販薬の自己使用を避け、即座に専門医を受診すべき人:
- ニキビ、水虫(白癬菌)、ヘルペス(ウイルス感染)が疑われる患部(※ステロイドにより感染症が悪化します)
- 顔面全域や目の周りに広範な炎症が出ているケース
- 市販のステロイドを5〜6日間連続使用しても症状が改善しないケース