ネット上の知恵袋や大手通販サイトのレビュー欄には、エアコン掃除スプレーに対する賞賛と怨嗟が入り乱れています。それらのネットの評判と口コミを客観的に精査すると、成功しているユーザーと大失敗に終わったユーザーの間には、はっきりとした環境と使い方の差異が存在することが判明しました。
まず、高評価をつけているユーザーの多くは、「購入から1〜2年以内の比較的新しいエアコン」に対して「予防目的」で使っています。フィン表面に薄っすらとホコリがついた程度の段階であれば、市販の洗浄スプレーでも十分に消臭・抗菌効果を実感でき、「業者を呼ぶより1万円以上浮いた」という満足感につながっています。
対照的に、星1つの辛辣なレビューを投じているユーザーの共通点は、「5年以上一度も分解掃除をしておらず、吹き出し口が黒カビで真っ黒な状態」から一発逆転を狙ってスプレーを噴射したケースです。現場の空調クリーニング業者に取材したところ、以下のような生々しい証言が得られました。
「お客様から『スプレーを使ったら余計にカビ臭くなった』『茶色い水が部屋中に飛んできた』とSOSを受けて駆けつけると、フィンの表面だけが中途半端に溶けて、奥のアルミの隙間にカビと薬剤が固まってペースト状に詰まっています。こうなると空気の通り道が塞がれ、エアコンの効きが悪くなるだけでなく、残った薬剤をエサにしてカビが爆発的に増殖します。これこそが、私たちプロがおすすめしない理由の核心です」
手軽に済ませようとした結果、かえってエアコンの寿命を縮め、最終的に特殊洗浄費用として通常の1.5倍以上の出費を強いられるという本末転倒な事例が、全国の現場で日常茶飯事のように起きているのが実情です。