「出したいのは山々だが、前職から源泉徴収票が送られてこない」「探しても見当たらない」というトラブルも頻発しています。法的な交付期限と、具体的な救済手続きを整理しました。
1. 退職後の源泉徴収票はいつ届くのか?
所得税法第226条において、企業は退職した従業員に対し、退職日以後1か月以内に源泉徴収票を交付しなければならないと義務付けられています。退職後1か月を過ぎても手元に届かない場合は、単なる前職の人事・労務担当者の作業遅延や送付漏れの可能性が高いため、まずは前職の担当部署へ電話やメールで発行・郵送を依頼するのが基本です。
2. 紛失した場合の再発行手続き
過去に受け取った源泉徴収票を紛失した場合でも、発行元である企業には再発行に応じる義務があります。前職の総務・人事担当窓口に「転職先の年末調整(または確定申告)で必要なため、再発行をお願いしたい」と連絡すれば、通常は数日から1週間程度で再発行されます。近年はクラウド給与明細システムからPDFで即時再ダウンロードできる企業も増えています。
3. 前職と連絡が取れない・倒産した・発行拒否された場合の対処法
退職代行を利用して辞めたため前職に連絡しづらい、会社が倒産してしまった、あるいは嫌がらせで発行を拒否されている場合は、所轄の税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出します。この届出書を受理した税務署は、該当企業に対して税務指導(行政指導)を行い、源泉徴収票の作成・交付を命じます。倒産している場合でも、破産管財人への確認や給与明細書をベースとした推計課税申告などの救済ルートが案内されます。