長年、世間では「眠気やあくびは脳の酸素不足を解消するために起きる」と信じられてきました。しかし、近年の生理学・神経科学の研究において、この酸素不足説はほぼ否定されています。
現在の有力な学説は、「脳の冷却(ブレイン・クーリング)仮説」および「覚醒度を維持するための神経刺激」です。パソコンのCPUと同じように、酷使された脳は熱を持ち、作業効率が低下します。大きく息を吸い込んで冷たい外気を取り込み、顎をダイナミックに動かして頭頸部の血流を一気に促進することで、脳の温度を適正に下げるラジエーターの役割を果たしているのです。
この激しい顎と顔面の運動が必然的に周囲の表情筋 涙嚢 収縮を引き起こし、結果として涙が絞り出されます。つまり、涙が出るのは脳のオーバーヒートを防ぎ、覚醒度を上げようと体がフル稼働した副産物とも言えます。