東寺の敷地内には、広大な講堂や金堂、日本一の高さを誇る木造五重塔以外にも、風情あふれる水辺環境が存在します。有料拝観エリアに位置する名勝庭園の「瓢箪池(ひょうたんいけ)」や、境内の北東側に位置する蓮池周辺は、春から夏にかけて自然の蛙たちが息づく東寺境内の隠れスポットです。
新緑や紅葉の季節には、静まり返った池の畔で水面に波紋を広げる生き物たちの姿に遭遇することがあり、都会の喧騒を忘れさせる静謐なひとときを味わえます。
そして、蛙愛好家にとって絶対に見逃せないのが、毎月21日に開催される「弘法市(こうぼういち)」です。弘法大師のご命日にちなんで開かれるこの大規模な縁日には、1,000軒を超える露店が境内に並びます。
骨董市エリアを丹念に歩くと、明治・大正期の古伊万里に描かれた蛙の絵皿、信楽焼の愛嬌ある蛙の置物、真鍮や青銅で作られた小さな根付など、多彩な東寺弘法市の蛙グッズがずらりと並んでいます。全国から訪れる目利きのコレクターたちが店主と値段交渉を交わす光景は、弘法市ならではの醍醐味です。